ソーシャルレンディング事業に必要な第二種金融商品取引業の登録

近年、金融業界では色々な投資ツールが提供されていますが、中でも異色と言えるのが「ソーシャルレンディング」です。ソーシャルレンディングは企業に融資する資金に対して投資するものですが、肝心の融資先企業における情報がほとんど開示されていません。従って、リスクを抑えるためには、信頼できるソーシャルレンディング事業者を選択することが最も重要になります。 ●事業に必要な資格 事業者の選択で前提になるのが、正規の登録業者ということです。ソーシャルレンディングを営むには、以下の登録をしていることが必要です。 1)第二種金融商品取引業 2)貸金業 金融業は免許制であり、ソーシャルレンディング事業においては、最低でも上記2つの免許の取得が必要です。仮に、事業者のWEBサイトに登録番号の記載が無い場合は無免許業者である可能性が高く、出資することは厳禁です。なお、悪質な業者は偽造した登録番号を掲示することがあるため、念のために財務局が公表している「金融商品取引業者登録一覧」を確認すると安心できます。 ●第二種金融商品取引業とは 「第二種金融商品取引業」とは、ファンドや信託受益権の販売において必要となる免許です。第二種金融商品取引業の免許を取得するには、資本金が1,000万円以上であり、また内部管理体制の整備にも一定の基準が要求されます。ちなみに、第二種金融商品取引業は法人である必要が無く、個人でも要件を満たすと取得できます。 第二種金融商品取引業は簡単に言うと、資金を集める事業のことです。ただ、ソーシャルレンディングは集めた資金を貸出して利息を取る事業のため、事業者は「貸金業」の免許も必要になります。貸金業の登録要件には、5,000万円以上の純資産などがあります。 ●第一種と第二種の違い ソーシャルレンディング事業者の中には、第一種金融商品取引業の免許を取得している業者があります。第一種金融商品取引業の免許は主に証券会社やFX事業者が取得するものであり、株式や社債、デリバティブ商品の販売に必要となります。当然、第二種より免許のハードルが高いため、その分第二種の事業者より信頼が置けます。第一種の事業者には、財務における高い健全性が求められており、金融庁と日本証券業協会に毎月自己資本比率を報告することが義務付けられています。 第一種と第二種の要件の違いには以下などがあります(左:第一種、右:第二種) ・資本金:5,000万円以上/1,000万円以上 ・純資産:5,000万円以上/規制なし ・他に行う事業の規制:あり/なし ・主要株主に対する規制:あり/なし ・自己資本規制比率に対する規制:あり/なし 特に、自己資本規制比率に対する規制は厳しくなっており、規定の数値を下回ると、業務改善命令や3ヶ月以下の業務停止命令、さらには登録取消し命令が下されます。証券会社やFX事業者など、幅広く資金を集める事業者が倒産すると、利用者に与える影響が膨大になるため、厳しく管理されます。 一方、第二種の事業者の場合は自己資本に対する規制が無いため、倒産に対するリスクが常に付きまといます。利用者は事業者の実績など、業務内容を入念にチェックすることが肝心です。